当院では、厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等に基づき、適切な意思決定支援に関する指針を定めています。
米の山病院 臨床倫理委員会
本ガイドラインは、人生の最終段階における患者さんご本人とご家族等の意思を尊重し、医師をはじめとする医療・ケアチーム※が連携して最善の医療とケアを提供するためのプロセスを示すものです。策定にあたっては、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を規範としました。
※ 医療・ケアチームは、主治医、看護師、医療相談員などの多職種で構成された医療チームです。このチームで「アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning:ACP)カンファレンス」を開催し、患者さんの医療・ケアに関する意思決定を支援します。
当院の人生の最終段階の医療・ケアの方針決定は、次のとおりとします。
治療方針の決定に際し、上記(1)(2)の場合でも以下のような状況下にあるときは、臨床倫理委員会へ審議を依頼し、方針等についての検討および助言を求めることが望ましいです。
補足
臨床倫理委員会の構成
臨床倫理委員会は、院長、副院長4名、総看護師長、事務長で構成されます。

当院では、人生の最終段階の医療・ケアの方針決定に際し、患者さんご本人あるいはご家族等に十分な説明と意思確認を行い、「急変時の治療方針における確認記録用紙」にご記入いただき、担当医は、入院の都度、本確認書をとり、カルテに保存します。この確認書は、患者さんにとってその時点で最もふさわしい医療・ケアを患者さんご本人あるいはご家族等と共に考え、緩和的アプローチを含めて提供することを意味します。
補足
「急変時の治療方針における確認記録用紙」の解説
蘇生不要指示・DNAR(Do Not Attempt Resuscitation)指示は多くの病院で日常的に出されていますが、その捉え方は医療者によって異なり、DNAR指示がCPR(心肺蘇生法)以外の治療に対しても消極的になり、実質的な延命治療の差し控え・中止となる場合があります。そこで、CPR以外の医療処置についても具体的に十分な考慮が必要であるという趣旨で、確認書を使用します。なお、本人が別の医療機関や介護施設等に移る場合や病状が変化した場合は、その内容を再評価すべきものです。
DNARの定義
心肺停止者を発見した場合、医療者は心肺蘇生法を実施します。ただし、死期が近く、心肺蘇生の効果がほとんどないと判断される心肺停止者には、実施しないことがあります。この「心肺蘇生法を実施しないこと」を医療現場ではDNAR(Do Not Attempt Resuscitation)と言います。DNARは心肺停止時の対応であり、心肺停止前の急変時対応や終末期の延命治療を定めたものではありません。
心肺蘇生法の範囲は、心臓マッサージ、除細動、そして人工呼吸(蘇生バッグ、マスク式人工呼吸、気管内挿管、人工呼吸器装着などを含む)です。
DNARはこれらの心肺蘇生法すべてを実施しないことを意味します。部分的な実施・不実施指示(Partial DNAR)は、救命を目的とする心肺蘇生法を不完全なものにし、心肺停止時の対応を複雑にするため、行うべきではありません。薬物治療や酸素吸入はDNAR指示に含みません。
参考)人生の最終段階おける診療録記載について
人生の最終段階おける診療録記載に当たっては以下の事項を含むことが求められます。
(1)医学的な検討とその説明について
(2)人生の最終段階における対応について
(3)状況および対応が変化した場合について
状況および対応が変化した場合は、その変化について記載します。
参考文献
厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」2018年
全日本民医連「DNARガイドラインミニマム」2019年
